
ITインフラの拡張、安定稼働において、それを支えるネットワークエンジニアの需要が急増しています。自社でも人材が不足しているため、優秀なネットワークエンジニアを採用したいと考えているでしょう。
しかし「どのような業務をしているのか理解していない」「業務に応じた人材採用・配置がわからない」という企業も多いはず。仕事内容を把握しないまま採用すると、思うように人材を活用できないかもしれません。
そこで本記事では、以下の内容について解説します。
ネットワークエンジニアの仕事内容
ネットワークエンジニアの1日
ネットワークエンジニアに求められるスキル
即戦力のネットワークエンジニアを採用する方法
本記事を最後まで読めば、ネットワークエンジニアの仕事内容を踏まえて適した人材を採用する手掛かりが見つかります。ネットワークの構築・刷新に向けてエンジニアを確保したい中小企業の経営者は、参考にしてください。
ネットワークエンジニアとは?仕事内容を知る前に解説
ネットワークエンジニアとは、ITインフラで必須のネットワークを設計、構築、管理するエンジニアのことです。
具体的には、ネットワーク設定に必要なルーターやケーブル、サーバーなどを用意し、要件通りに構築します。構築後は安定してデータをやり取りできるよう、ネットワークを管理・監視します。不具合が発生すると、ITインフラそのものが止まってしまうため、24時間体制で監視している企業がほとんどです。
また、近年はクラウドサービスの普及で、これまで自社に設置していたコンピューターリソースがネットワーク上で利用されつつあります。クラウドはセキュリティ上の脅威にも配慮しなければいけないため、ネットワークエンジニアに求められるスキル・経験は年々高度化しています。
関連記事:ネットワークエンジニアとインフラエンジニアの違いとは?採用ポイントも解説
ネットワークエンジニアの平均年収は約680万円
厚生労働省の職業情報提供サイトjobTagによると、ネットワークエンジニアの平均年収は約684.9万円です。
出典:jobTag
日本の正社員の平均年収が530万円であることを踏まえると、高年収と言えます。ただし、年齢や実務経験によって報酬に差があることに注意しましょう。
たとえば、経験年数が1~4年のエンジニアだと平均月収は34.69万円ですが、経験年数が15年以上になると平均月収は51.15万円と約1.47倍に上がります。
また経験年数だけでなく、個々のスキルレベルで年収が上下するのも特徴です。下の表はITSS(経済産業省が定めたITのスキル標準)と年収の相関を表しています。
スキルレベル | 概要 | 年収 |
ITSSレベル1~2 | IT業界の未経験者 | 420.0万円 ~ 620.0万円 |
ITSSレベル3 | 指示作業をすべて一人でできる | 450.0万円 ~ 700.0万円 |
ITSSレベル4 | 自らのスキルで業務上の課題を発見解決に向けてリードできる | 500.0万円 ~ 780.0万円 |
ITSSレベル5以上 | 社内でテクノロジーやビジネスを生み出しリードできる | 600.0万円 ~ 950.0万円 |
参考:jobTag
スキルによって2倍以上の差があります。そのため、ネットワークエンジニアを採用するときには、経験年数とスキルを総合的に見て報酬を決めなければいけません。
ネットワークエンジニアの仕事内容
ネットワークの構造は複雑化しており、然るべき手順を踏んで構築しなければいけません。ここでは、ネットワークエンジニアの仕事内容を下記のステップにわけて解説します。
要件定義
設計
構築
テスト
運用保守
要件定義
要件定義とは自社で必要なネットワークを実現するために、どのような機材・技術が必要なのかを洗いだすことです。たとえば、ワンフロアのオフィスから3階建ての事務所に移転するためにネットワークを移設する場合、以下の要件が考えられます。
フロアが3つあるため、LANスイッチも3台必要
それぞれのLANスイッチに繋げるPCの数は30台
経理部のPCは外部ネットワークと切り離したい
テレワークを導入するために安全に通信できる技術が必要
2階だけ無線LANで接続したい
要件定義が疎かになると、いざネットワークを構築したときに「想定した機能がない」「過剰スペックだった」となりかねません。
なお、要件定義をするときには実際に使う社員にヒアリングし、既存ネットワークで困りごとはないか抽出しましょう。使い勝手が悪いと、後に作業ミス・セキュリティインシデントの遠因になります。
設計
設計とは、要件定義で洗い出した内容を実現するためにネットワークの全体像を決めるフェーズです。具体的には以下の2ステップにわけて行います。
基本設計:ネットワークを構築する目的、各装置の機能的役割などを定義
詳細設計:各機器でのパラメーターを決定
基本設計はネットワークの大枠を作るステップで、下のようなネットワーク構成図を作成します。
出典:埼玉県幸手市
ネットワーク構成図を作るときに、各機器のポート番号の接続関係も記載します。ネットワークが複雑な場合は、エクセルやスプレッドシートなどにまとめることもあります。基本設計がひと段落したら、詳細設計で機器の設定値を決めて構築に進みます。
関連記事:ITインフラの設計とは?構築との違いと流れ・外注のポイントを紹介
構築
設計に基づいて実際に構築するのもネットワークエンジニアの仕事です。あらかじめ決められた機材を搬入し、マニュアルに沿って施工します。ネットワーク構築の特徴は、下記のような綿密な事前準備が行われることです。
実機で正常にネットワーク通信ができるか
意図しない通信を遮断できるか
現地で施工するに当たり環境上の支障はないか
このようなシミュレーションをしないと、施工するときに想定外のトラブルに見舞われるリスクが高まります。そもそも構築作業は厳密に時間が限られており、とくに既存ネットワークの更新となると、切り替えが間に合わなくなったときの影響がおおきくなります。
構築前に可能な限りリスクを洗い出し、滞りなく作業できるよう計画を立てるのもネットワークエンジニアの責務です。
関連記事:ITインフラの構築とは?設計との違いと流れ・外注のポイントを解説
テスト
構築が終わったら、要件通りの機能を満たしているかテストします。テストは主に以下のステップにわけて実施します。
テストの種類 | 確認項目 |
単体テスト | スイッチの電源は入るか |
結合テスト | 単体テストをクリアした機器同士で正常に連携できるか |
システムテスト | 本番環境で要件通りの機能を実現できているか |
ネットワークの規模にもよりますが、各工程は1時間刻みという細かい単位で実施されます。
また、万が一テストがうまくいかなかったときに、既存ネットワークへの切り戻しの判断もしなければいけません。不具合内容と残りの作業時間、ネットワークへの影響を加味して工事の進退を決めるのもネットワークエンジニアの仕事です。
運用保守
ネットワークは構築したら終わりではなく、その後の運用保守も重要です。運用保守とはネットワークが安定稼働できるよう管理、監視、更新することです。具体的な業務を以下の表にまとめました。
運用保守の主な内容 | 概要・特徴 |
オペレーション | 社員のID・パスワード登録、各社員の権限更新など |
障害監視 | ネットワーク通信に異常がないか監視 |
構成管理 | ネットワーク構成図・詳細設計書を随時更新 |
性能監視 | 異常の兆候をつかむためにネットワーク機器のリソースを監視 |
問い合わせ対応 | ネットワークユーザーからの質問対応 |
不具合対応 | 関係個所への連絡、原因の切り分け、応急処置、恒久対策の実施 |
オペレーションや監視業務は定例作業のため、新たな調査は伴いません。しかし、トラブル対応は未経験の事象も発生するため、新たな調査・分析が求められます。
一番優先度が高いのは不具合対応で、ネットワークが停止すると企業活動そのものに支障が出ます。同時多発的にトラブルが起こることもあり、影響レベルを元に優先順位を決めて復旧計画を立てなければいけません。
なお、運用保守はネットワーク全体の理解につながることから、未経験者が担当することもあります。ただし、保守の品質は実務経験の有無に直結するので、ハイスキルなエンジニアも一定数必要でしょう。
関連記事:ITインフラ運用とは?仕事内容や保守との違い・外注のメリットについて解説
ネットワークエンジニアの1日の流れ
ネットワークエンジニアの仕事といっても、どのように業務を遂行しているかイメージしにくいかもしれません。例として1日の流れをまとめました。
時間帯 | 設計 | 構築 | 運用保守 |
9:00~12:30 | 出社、メールチェック | 現地へ移動 | 監視 |
12:00~13:00 | 昼食 | ||
13:00~14:00 | ネットワーク機器の | 機器設定・配線 | 監視 |
14:00~16:00 | 客先での打ち合わせ | ||
16:00~20:00 | 課題の整理 | 帰社・進捗報告 |
特徴は工程によって1日の流れが異なることです。設計工程では資料作成や客先との打ち合わせがメインになりますが、構築業務ではほぼ現場で業務することになります。運用保守は時間帯にかかわらず、監視や問い合わせ対応、機器のメンテナンスと定型化されており、夜勤も発生する場合があります。
ネットワークエンジニアを募集するときには、役割ごとに具体的な仕事をイメージできるよう伝える必要があります。
ネットワークエンジニアがやめとけと言われる背景
ここでは、ネットワークエンジニアとして働くことが敬遠される理由を解説します。
異常時の対応が多い
不規則な勤務に悩まされる
スキルを習得しにくいケースがある
求職者が心配している点を把握しておけば、どう払拭すべきか対策を立てられます。職場環境の改善にも役立つので、ここで押さえておきましょう。
異常時の対応が多い
ネットワークは構造が複雑かつ運用期間も長期に渡るため、いつ不具合が起きるかわかりません。運用期間が長いと機器の老朽化で不具合が頻発し、そのたびに呼び出されることになります。
不具合が発生すると企業活動全体に影響が出るので、深夜や休日であっても即座に対応しなければいけません。また、トラブルの経験が浅いと原因の切り分けや応急処置にも苦慮します。
復旧後の報告書作成や事後対策の策定にも追われるため、ネットワークエンジニアを避ける人が多いのです。
不規則な勤務に悩まされる
ネットワークは24時間稼働しているため、滞りなく運用できるよう夜勤・休日出勤が必要なケースもあります。
企業によりますが、勤務形態は日勤、夜勤、泊まり勤務(24時間拘束)の3パターンが多く、カレンダー通りの休みを取れないこともあります。仮眠時間を設けていても、不具合が発生すれば徹夜になる可能性も否めません。
筆者も日勤時間帯の業務が終わり、仮眠休憩に入った途端に障害が発生して翌朝まで徹夜した経験があります。このように、不規則な生活リズムを強いられるリスクがあるため、ネットワークエンジニアになりたがらない人もいます。
スキルを習得しにくいケースがある
ポジションによってはスキルを伸ばしにくいのも、ネットワークエンジニアの悩みの種です。
とくに運用保守は管理・監視がメインなので、多くの業務がルーティン化されています。利用するツールや技術に汎用性があれば他社でも通用しますが、企業によっては独自システムを運用しているため、他社で通用するスキルが身に付かないリスクも高いです。
運よく、構築、設計、企画とフェーズをステップアップできれば良いですが、長い下積み期間を覚悟しなければいけないでしょう。
また、スキルが伸びにくいことで給料が頭打ちになるのも、ネットワークエンジニアになりたがらない人がいる背景です。ネットワーク構築は付加価値が出にくいため、予算を絞っている企業も多いからです。
スキルを身に付けにくい環境とそれに伴う給料の伸び悩みのせいで、ネットワークエンジニアを避ける人もいます。
ネットワークエンジニアとして働く魅力
ネットワークエンジニアは大変な職業ですが、メリットが多いのも事実です。ここでは、ネットワークエンジニアの魅力を解説します。
未経験でも参入しやすい
将来性がある
専門性が身に付く
貢献度が目に見える
これらの魅力をアピールすれば、求職者の興味を惹きつけやすくなります。
未経験でも参入しやすい
未経験でもチャレンジしやすい点は、ネットワークエンジニアの魅力と言えます。
たとえば、運用保守はネットワークの状態監視がメインなので、多くの業務が定型化しています。また、構築はネットワーク機器・OSの設定が主たる業務で、この操作ができる人が不足している傾向にあります。
簡単な機器設定であれば独学でも構築できるので、未経験でも活躍できる余地はおおきいと言えます。
将来性がある
将来性を期待できるのも、ネットワークエンジニアの特徴です。新たにビルや事務所を建設するときにネットワークは必要になります。そして、多くの企業は老朽化に備えて7~10年でネットワーク機器を改修するため、長期にわたって案件の需要が見込めます。
また、流行り廃りの激しいIT業界で、技術トレンドの影響を受けにくいのも特徴。ネットワークはTCP/IPというネットワーク通信の技術的ルールが確立されており、おおきな変更があまり発生しません。
開発エンジニアのように次々と新しい技術や言語に追われることがないため、ネットワークスキルを末永く活用できるでしょう。
専門性が身に付く
ネットワークでは下記のような専門技術を利用できるため、エンジニアにとってもスキル面でのポジションを取りやすくなります。
ネットワーク機器の設定:ルーター・ケーブルなどの敷設、パラメーターの入力など
TCP/IPの知識:ネットワーク通信に関する技術ルールの理解
サーバー:Webサイトの閲覧やメール送信などのサービスを提供する機器・仕組み
セキュリティ:サイバー攻撃の手法やそれらを防ぐ技術・ツールの活用
クラウド:Microsoft AzureやGoogle Cloudなどのサービスを使うスキル
上記のスキルはネットワーク構築において必要なだけでなく、サーバーエンジニアやクラウドエンジニアなど他の職種にも役に立ちます。定型化しやすいネットワークエンジニアの業務でも、見方を変えるとキャリアの幅が広がりやすいと言えます。
貢献度が目に見える
社会への貢献度がはっきりネットワークエンジニアのやりがいです。
ふだんは問題なく通信できているネットワークでも、ひとたび障害が起これば企業活動全体がストップする恐れがあります。そのときに冷静に問題を切り分け・特定し、無事復旧できた瞬間の達成感はひとしおです。
筆者も職場でネットワーク不具合が発生したときに、業者へスムーズに引継ぎできるよう可能な限り原因調査をしたことがあります。切り分けまでは現場で対応できたため、業者と上司陣から「想定より早く復旧できた」と評価していただきました。
機器の設定に神経を使う、ダウンタイムの長期化が許されないなどのプレッシャーはありますが、それ以上に貢献を実感できるでしょう。
ネットワークエンジニアに必要なスキル【技術面】
ネットワークエンジニアは専門職種のため、下記のようなスキル要件が求められます。
TCP/IPの知識
ネットワーク機器の操作
サーバー
クラウド
セキュリティ
TCP/IPの知識
出典:東北大学
TCP/IPとは、ネットワーク通信のプロトコルの一つです。コンピューター同士の通信においては、メーカーや規格の異なる機器同士が通信できるよう多くのルールが設けられています。
たとえば、下位層では電圧や配線などの物理的ルール、上位層では上の図のようにデータ送受信の方式などが規定されています。TCP/IPの規格は古くから世界中のネットワーク通信で利用されており、今後も大きな仕様変更は起こらないと言われています。
TCP/IPの全容を完全に理解するのは難しいですが、CCNAやネットワークスペシャリストなどの資格で基礎を習得できます。詳しくは下の記事で解説しているので、ネットワークエンジニアを採用するときの参考にすると良いでしょう。
関連記事:ITインフラ業務におすすめの資格11選!取得へのロードマップ・仕事内容・即戦力の採用方法も紹介
ネットワーク機器の操作
ネットワーク機器の操作・設定はもっとも必要とされるスキルの一つで、人手不足が顕著な業務でもあります。ルーターやスイッチなど同じ役割の機器でもメーカーによって仕様が異なるため、固有の操作方法を理解しなければいけません。
どの機器を使うかはプロジェクトの方針にもよりますが、シスコシステムズ社の機器に関する知識があると安心です。ネットワーク機器の開発製造で世界規模のシェアを誇っており、同社主催のベンダー試験でベースの知識を学ぶことも可能です。
またネットワーク機器の操作は、個人経営店や大学の研究室など小規模レベルのネットワーク構築でも実践できます。未経験者を採用するときには、このように独学で構築した経験があるか質問してみましょう。
サーバー
出典:慶應義塾
サーバーとは上の図のようにユーザーから何らかの要求を送り、サービスを提供するマシン(もしくは仕組み)のことです。ネットワークエンジニアに求められるサーバースキルは、データのバックアップやOSの操作、サーバー全体の管理などが挙げられます。
現場で使われる主なサーバーOSはLinuxとWidowsServerの2種類。Linuxは世界でも高いシェアを誇るオープンソース型のOSで、用途が幅広いのが特徴です。Windowsは企業の基幹システムに導入されるケースが多いですが、現場によってどちらか一方、もしくは両方の知識が必要になります。
定期的にOSのアップデートが行われますが、基本的な操作はおおきく変わることはありません。しかし、セキュリティ上の観点や技術革新の影響で、これまでの常識が通用しなくなる可能性があります。ネットワークエンジニアには、最新のサーバー知識が求められることに留意しましょう。
クラウド
出典:総務省
クラウドとは、上の図のようにインターネットを介してサーバーやストレージなどを利用できるサービスです。
メリットは自社でリソースを保有しなくて良いこと。自社でサーバーやネットワーク機器を用意すると、搬入・設定だけで丸1日かかるケースもあります。また、老朽化したときには取り換え工事も計画しなければいけません。
クラウドだと、これらの作業が管理画面一つで行えるため、導入・管理の負担を下げることができます。たとえば、下の画面ではデータベースの更新やサーバーの増設、アクセス権限の制御などが可能です。
出典:Microsoft
近年はパブリッククラウドが台頭し、ネットワークエンジニアにもその操作スキルが求められます。下に主なクラウドサービスの特徴をまとめました。エンジニアのクラウドスキルをチェックするときの参考にすると良いでしょう。
主なパブリッククラウド | 概要・特徴 |
AWS(Amazon Web Service) | クラウド市場で長い歴史を有し、豊富な機能を提供 |
Microsoft Azure | Microsoft製品との親和性が高い |
Google Cloud | AIや機械学習など最先端の技術に明るい |
セキュリティ
ネットワークエンジニアにも一定のセキュリティスキルが求められます。多くの企業ネットワークは外部とつながっており、常に悪意ある第三者からの標的にされているからです。
下の表は、情報通信研究機構(NICT)が運用している大規模サイバー攻撃観測網(NICTER)の観測パケット数です。2015年から9年間で攻撃数が約9.8倍に増加しています。
出典:総務省
これらの攻撃は常に高度化・多様化しており、とくに近年はIoTと呼ばれるモノとインターネットをつなぐ技術の普及で攻撃対象が広がっています。これらはネットワークでつながっているため、ネットワークエンジニアにもセキュリティに明るくなる必要があります。
社外から不審な接続を許可しない
通信を暗号化する
サイバー攻撃を検知する仕組みを作る
上記のようなネットワーク設計ができるかも見るべきポイントです。
関連記事:ITインフラにおけるセキュリティとは?重要性と企業の被害事例・対策も解説
ネットワークエンジニアに必要なスキル【実務面】
ネットワークエンジニアには専門技術が求められますが、それを円滑に使いこなすソフトスキルも欠かせません。ここでは実務面で必要なスキルを紹介します。
論理的思考力
マネジメント力
コミュニケーション力
論理的思考力
論理的思考力とは、物事の情報を整理して矛盾が起こらないよう結論を導き出す力のことです。ネットワークエンジニアにおいても論理的思考力は欠かせなく、要件を網羅する力や矛盾なくネットワークを構築するうえで必要です。
とくに不具合が発生したときに、トラブル経験が浅いとロジックに頼って原因を究明せざるをえません。業務課題においても同じく、ふだんの仕事で抱いている違和感や疑問を解決するためには、その重要性を提案できるようロジックを立てて説明する必要があります。
候補者の論理的思考力を見極める主な方法は以下のとおりです。
オープンクエスチョンをする:これについてどう思うか、なぜそうに考えるのか
結論から話しているか確認する:日頃からロジックで回答している可能性が高い
1つの問いに数回質問する:問題意識の深さが見える
論理的思考力を見極めるのに役立つ質問なので、面接で掘り下げてみましょう。
マネジメント力
マネジメント力とは、プロジェクトメンバーの進捗を把握してチーム全体のパフォーマンスを引き出す能力のことです。
マネージャーに抜擢されると現場の仕事にはあまりかかわらず、プロジェクトの進行管理やチームメンバーの育成に重きを置く企業が多いです。ただし、プロジェクトの規模や要員の関係で、現場でのタスクとマネジメントの両方を求められるケースもあります。
マネジメント力を見極めるポイントは以下のとおりです。
部下との接し方:ただ指示をしただけなのか、考えて動けるように指導したのか
プロジェクトメンバーの構成:新人が多かったのか、ベテランが主体だったのか
長期的な視点があったか:経営層の意図を汲み取り、プロジェクトに反映させたか
マネジメント経験があれば用意できるポジションの幅も広がり、プロジェクトもスムーズに進むでしょう。
コミュニケーション力
ネットワークエンジニアの業務はプロジェクトベースで動くため、円滑にコミュニケーションができなければいけません。
たとえば、要件定義でクライアントとの意思疎通が不十分だと「思っていたスペックと違う」とトラブルになる可能性があります。ネットワーク構築のときにも、他のメンバーと連携せずに作業をしていれば、進捗が遅れるでしょう。
採用時にコミュニケーション能力を評価するポイントは以下のとおりです。
表現力:話すときの声量・速度の適切さ、長い話を要約できるか
傾聴力:相手の意見に真摯に意見を取り入れられるか
現状の把握力:一部の説明のみで全体の状況を理解できるか
提案力:相手の立場を想像し、解決方法を提案できるか
とくに未経験者の伸びしろを評価するうえで、コミュニケーション力はおおきなウェイトを占めます。経験者であれば技術力との相乗効果も期待できるでしょう。
即戦力のネットワークエンジニアを獲得する方法
ネットワークエンジニアは高度な専門スキルを必要とされるので、すぐに現場で活躍できる人材が求められます。ここでは、即戦力のネットワークエンジニアを確保する方法を紹介します。
ネットワークエンジニアの | メリット | 注意点 |
転職エージェントの活用 | 豊富な人材データを保有 | 自社に魅力がないと相手にされない |
候補者をスカウトする | ミスマッチが起こりにくい | 採用経験が豊富な社員を担当にすること |
フリーランスへ委託 | 専門性の高い人材を活用可能 | 人材の質に差がある |
転職エージェントの協力を得る
転職エージェントとは、求職者と人材を募集している企業をマッチングさせる仲介業者のことで、厚生労働省の認可を得て活動しています。
豊富な人材ネットワークを有しているため、企業のニーズにマッチした候補者を紹介してくれます。エージェントによっては、異業種・異業界の人材にアプローチすることも可能で、自社とは関りの薄い層も採用できるでしょう。
また、非公開の求人活動や面接の日程調整代行ができるのもエージェントの強みです。大量の候補者を効率良く選別できるため、採用活動の負担を軽減することができます。
注意点として、自社に求職者から見たメリットがないとエージェントに相手にされない可能性があります。ワークライフバランスの取りやすさや自社の知名度、高額な報酬などエンジニアの興味を惹きつけられる強みを洗い出しましょう。
関連記事:インフラエンジニア採用にエージェントを活用するメリットと選び方を解説
候補者をスカウトする
エンジニアからの応募を待つのではなく、企業自ら候補者に入社を働きかけるのも有効です。必要なエンジニア像を固めたうえでコンタクトを取るため、採用後のミスマッチが発生しにくくなるからです。
また、転職活動中のエンジニアだけでなく、転職の意思があまりない潜在層にアプローチできるのもスカウトの特徴。高い専門性を有しているにもかかわらず、転職に積極的でないエンジニアも多くいます。そこで待遇や企業ブランド、最新技術に携わるプロジェクトなど他社を上回るメリットを提示できれば、引き抜けるかもしれません。
なお、スカウトは採用担当者のスキルに依存することに注意が必要です。円滑なコミュニケーションが取れないとエンジニアに敬遠される可能性があります。採用経験が豊富な社員を担当者にすることをおすすめします。
関連記事:インフラエンジニアをスカウト採用するメリットや成功させる方法を解説
フリーランスエンジニアへ委託する
フリーランスエンジニアへの委託は、即戦力のネットワークエンジニアを確保するうえで有効な手段の一つです。フリーランスエンジニアとは企業に雇用されず、業務委託を契約して案件を遂行するエンジニアのこと。
他社で豊富な実務経験を積んでいるので、即戦力としての活躍を期待できます。また、業務の難易度に応じて報酬を設定できる点も魅力です。正社員のように福利厚生費用、社会保険などの固定費も発生しないので、人件費の削減に寄与するでしょう。
ただし、フリーランスエンジニアは駆け出しからベテランまで質に差があるのが現状です。人材の選定ミスが心配な企業は、フリーランスエージェントへの相談がおすすめです。
関連記事:インフラエンジニア案件をフリーランスに業務委託する方法とメリットを解説
ネットワークエンジニアをお探しならクロスネットワークにご相談ください
本記事では、ネットワークエンジニアの仕事内容と1日の流れ、やりがい、必要なスキルなどについて解説しました。
ITインフラの土台となるネットワークは必要不可欠で、それを支えるネットワークエンジニアが求められています。工程も複雑かつ必要なスキルも多岐に渡るため、仕事内容を理解していないと求める人材を探すのは難しいでしょう。
しかし「仕事内容から必要なネットワークエンジニアを見極めるのは難しい」「なるべくスムーズに人材を確保したい」と考える企業も多いはずです。
優秀なネットワークエンジニアをお探しなら、ぜひクロスネットワークにご相談ください。クロスネットワークはインフラエンジニア専門のエージェントサービスで、通過率5%と厳しい審査に合格した人材のみ在籍しています。ネットワークインフラに精通した人材をクライアントの要望にあわせてスムーズにマッチングします。
採用後のやりとりもサポートしますので、トラブルを回避できるのもメリット。さらに、登録しているインフラエンジニアと合意があれば、正社員登用もできます。
エージェントに相談いただければ、最短3営業日でのアサインも可能です。また、週3日程度の依頼も可能なので、自社の必要リソースにあわせて柔軟に外注できます。
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新卒で大手インフラ企業に入社。約12年間、工場の設備保守や運用計画の策定に従事。 ライター業ではインフラ構築やセキュリティ、Webシステムなどのジャンルを作成。「圧倒的な初心者目線」を信条に執筆しています。