
自社に必要なのはサーバーエンジニアか、それともネットワークエンジニアか。
インフラエンジニアの採用を検討する企業にとって、適切な人材を選定することは非常に重要です。
役割を正しく理解しないまま採用を進めると、技術的な課題が解決されないばかりかコストや工数の無駄につながる可能性もあります。
本記事では、現役インフラエンジニアがサーバーエンジニアとネットワークエンジニアの違いを明確に解説し、どのようなケースでどちらを選ぶべきかを具体的に解説します。
さらに、サーバーとネットワークの両方をカバーできる「インフラエンジニア」という選択肢や、採用手法についてもご紹介します。
自社の課題に合った最適なエンジニアを確保し、円滑なインフラ運用を実現するための参考としてぜひご一読ください。
サーバーエンジニアとネットワークエンジニアの違い
サーバーエンジニアとネットワークエンジニアは、どちらもITインフラを支える重要な役割を担いますが、その担当領域は大きく異なります。
それぞれの役割を理解することにより、ITインフラに関する課題の適切な解決につながるでしょう。
担当領域が異なる
サーバーエンジニアとネットワークエンジニアの最も大きな違いは、担当する領域です。
簡単に言うと、サーバーエンジニアは「サーバー」に関するすべて、ネットワークエンジニアは「ネットワーク」に関するすべてを担当します。
サーバーとはウェブサイトやアプリケーションを動かすためのコンピュータで、ネットワークとはこれらのサーバーやコンピュータを繋ぐ通信経路のことです。
サーバーエンジニアとは
サーバーエンジニアは、サーバーの構築・運用・保守を担当するエンジニアです。
具体的には、OSやミドルウェアのインストール・設定、サーバーの性能監視、セキュリティ対策、トラブル対応などを行います。
Webサービスや社内システムなど、サーバーが関わるあらゆるシステムの安定稼働を支える重要な役割を担います。
ネットワークエンジニアとは
ネットワークエンジニアは、ネットワークの構築・運用・保守を担当するエンジニアです。
ルーターやスイッチなどのネットワーク機器の設定、ネットワークの監視、セキュリティ対策、トラブル対応などを行います。
社内ネットワークやインターネット接続など、円滑なデータ通信を支える役割を担います。
サーバーエンジニアとネットワークエンジニアの業務内容の違い
サーバーエンジニアはサーバーシステムに、ネットワークエンジニアはネットワークシステムにそれぞれ特化しており、異なる専門知識とスキルが求められます。
具体的な業務内容の違いを、以下の表で比較してみましょう。
項目 | サーバーエンジニア | ネットワークエンジニア |
業務内容 | サーバーの構築・運用・保守
| ネットワークの構築・運用・保守
|
具体例 |
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|
それぞれについて、詳しく説明します。
サーバーエンジニアの業務内容
ウェブサイトやアプリケーションを快適に利用できるよう、サーバーエンジニアはシステムの裏側でさまざまな業務を担っています。
サーバーの構築・運用・保守
サーバーエンジニアは、OSやミドルウェアのインストール・設定、Webサーバーやデータベースの構築といったシステム基盤の構築から、サーバーのパフォーマンスチューニング、セキュリティ対策の実施、さらにトラブルシューティングまで、サーバーに関わるあらゆる業務を担います。
安定したシステム運用のため、常に最新の技術やセキュリティ動向を把握しシステムへ反映させる必要があります。
Webサーバーの構築では、アクセス集中時の負荷分散や冗長化構成の設計・実装を行い、システムの高可用性を実現します。
データベース構築においては、データの整合性やセキュリティを考慮した設計・運用が求められます。
また、システムの安定稼働を維持するために、サーバーリソースの監視やパフォーマンス分析、ボトルネックの特定と改善といった運用業務も重要な役割です。
クラウド環境への対応
近年では、オンプレミス環境に加えクラウド環境でのサーバー運用も増加しています。
クラウドサーバーの構築・運用・保守もサーバーエンジニアの業務範囲となり、クラウドサービスの特性を活かしたシステム設計やコスト最適化なども求められます。
具体的には、AWS・Azure・GCPといったクラウドサービス上に用意されたサーバーを借りて、自社のシステムを動かすための設定を行います。
必要なときに必要なだけサーバーリソースを増減したり、システムの負荷に応じて自動的にサーバーの数を調整する設定なども行います。
これにより、従来の自社でサーバーを管理するよりも柔軟で効率的な運用が可能になります。
ネットワークエンジニアの業務内容
ネットワークエンジニアは、快適なインターネット環境や社内ネットワークを維持するために日々ネットワークの構築・運用・保守に取り組んでいます。
ネットワークの構築・運用・保守
ネットワークエンジニアは、ルーター・スイッチ・ファイアウォールなどのネットワーク機器の設定、ネットワークの監視、セキュリティ対策、トラブルシューティングなどを行います。
社内ネットワークからインターネット接続まで、あらゆるネットワーク環境を構築・運用し、円滑なデータ通信を支えます。
社内ネットワークの構築では、VLAN(仮想LAN)によるネットワークセグメントの分割や、VPNによるセキュアなリモートアクセス環境の構築などを行います。
また、ファイアウォールやIDS/IPS(不正侵入検知システム/不正侵入防御システム)などのセキュリティ機器を用いたセキュリティ対策や、ネットワークトラフィックの監視によるパフォーマンス分析、ボトルネックの特定と改善といった運用業務も重要な役割です。
クラウドネットワークへの対応
クラウドの普及に伴い、ネットワークエンジニアもクラウドネットワークの構築・運用・保守を行う機会が増えています。
仮想ネットワークの構築・運用、クラウド間の接続設定、クラウドセキュリティ対策など、クラウドに関する知識も重要になっています。
具体的にはサーバーエンジニアと同様、AWS・Azure・GCPといったクラウドサービス上にも社内ネットワークのような仮想的なネットワークを構築し、そのネットワークを管理します。
インターネットを経由せずにクラウドと社内ネットワークを安全に接続したり、複数のクラウドサービス間を繋いだりといった設定も行います。
これにより、クラウドサービスを安全かつ効率的に利用できるようになります。
サーバーエンジニアとネットワークエンジニアのスキルの違い
サーバーエンジニアとネットワークエンジニアそれぞれが保有するスキルを以下の表で比較してみましょう。
項目 | サーバーエンジニア | ネットワークエンジニア |
OS |
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ミドルウェア |
| ー |
データベース |
| ー |
プログラミング言語 |
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クラウド |
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サーバーエンジニアの保有スキル
サーバーエンジニアにとって、LinuxやWindows ServerといったOSに関する知識は必須です。
Webサーバーを構築・運用するためのApache・Nginx・Tomcatといったミドルウェアの知識、MySQLなどのデータベースの構築・運用スキルも重要です。
また、シェルスクリプト・PowerShell・Pythonなどのプログラミング言語を用いてサーバーの自動化や効率化を行うためのスキルも求められます。
近年ではAWS・Azure・GCPといったクラウドプラットフォームに関する知識も重要性が増しています。
ネットワークエンジニアの保有スキル
ネットワークエンジニアにおいては、企業での導入有無にもよりますがCisco IOSやJuniper JUNOSといったネットワーク機器のOSに関する知識に加え、ネットワークプロトコルに関する深い理解は必須のスキルです。
近年はネットワーク設定の自動化が進み、Pythonlなどのプログラミングスキルも有効です。
ファイアウォールやVPNなどのセキュリティ技術に関する知識や、ネットワークトラブル発生時の迅速な対応を可能にするトラブルシューティング能力ももちろん重要となってきます。
サーバーエンジニアと同様に、AWS・Azure・GCPといったクラウドプラットフォームに関する知識もますます重要になっています。
関連記事:ネットワークエンジニアに必要な言語とは?人材採用のポイントも解説
サーバーエンジニア・ネットワークエンジニアが必要なケース
サーバーエンジニアとネットワークエンジニア、どちらのスキルが必要かは抱えているインフラ課題によって異なります。
まずは自社のインフラ課題を明確にすることが適切なエンジニアを選ぶための第一歩です。
課題の種類に応じて、サーバーエンジニアかネットワークエンジニア、あるいは両方のスキルをもつエンジニアが必要になる場合があります。
関連記事:ITインフラの主な課題とは?解決方法もあわせて紹介
サーバーエンジニアを選ぶべきケース
以下のようなケースでは、サーバーエンジニアのスキルが役立ちます。
ケース | 内容 |
Webサービスや業務システムのパフォーマンスを改善したい | Webサーバーのレスポンスタイムが遅い、データベースの処理速度が遅いなど、システムのパフォーマンスに課題がある場合、サーバーエンジニアがパフォーマンスチューニングやボトルネックの解消を行います。 |
クラウド環境を導入・移行したい | オンプレミス環境からクラウド環境への移行や、クラウドネイティブなシステム構築を検討している場合、サーバーエンジニアがクラウド環境の構築・運用を担当します。 |
サーバーのセキュリティ対策を強化したい | サーバーへの不正アクセスやデータ漏洩を防ぐため、セキュリティ対策を強化したい場合、サーバーエンジニアがセキュリティパッチの適用やファイアウォール設定などを行います。 |
システムの可用性を高めたい | システム障害によるダウンタイムを最小限に抑え、システムの可用性を高めたい場合、サーバーエンジニアが冗長化構成の設計・実装や、障害発生時の迅速な復旧対応を行います。 |
ネットワークエンジニアを選ぶべきケース
以下のようなケースでは、ネットワークエンジニアのスキルが必要となります。
ケース | 内容 |
社内ネットワークやシステム間の通信が遅い・不安定 | 社内ネットワークの速度が遅い、システム間の通信が不安定な場合、ネットワークエンジニアがネットワーク機器の設定やネットワーク構成の見直しを行います。 |
ネットワークセキュリティを強化したい | 外部からの不正アクセスやウイルス感染を防ぐため、ネットワークセキュリティを強化したい場合、ネットワークエンジニアがファイアウォールやVPNなどのセキュリティ対策を導入・設定します。 |
オフィスやデータセンターのネットワークを構築・改修したい | 新しいオフィスやデータセンターにネットワークを構築する場合、あるいは既存のネットワークを改修する場合、ネットワークエンジニアがネットワーク設計・構築を行います。 |
システムのトラフィック管理・負荷分散を最適化したい | ネットワークトラフィックの増加に伴い、システムのパフォーマンスが低下している場合、ネットワークエンジニアがトラフィック管理や負荷分散の最適化を行います。 |
サーバー・ネットワークをカバーするインフラエンジニア
サーバーエンジニアとネットワークエンジニアの役割分担が明確になってきた一方で、近年では両方の領域をカバーできる「インフラエンジニア」への需要が高まっています。
関連記事:インフラエンジニアの職種内容を徹底解説!人材採用のポイントも紹介
インフラエンジニアとは
インフラエンジニアとは、サーバーとネットワーク両方の知識とスキルを兼ね備え、ITインフラ全体を管理・運用するエンジニアです。
サーバーの構築・運用・保守だけでなく、ネットワークの構築・運用・保守も担当し、幅広い知識とスキルが求められます。
具体的には、OS、ミドルウェア、データベース、ネットワーク、セキュリティ対策、クラウドサービスなど、ITインフラに関わる幅広い技術に精通している必要があります。
サーバー専門のエンジニアやネットワーク専門のエンジニアと比較して、インフラ全体を俯瞰的に見ることができるため、より効率的なシステム運用やトラブルシューティングが可能です。
近年ではクラウドサービスの普及に伴い、クラウド環境におけるインフラ構築・運用スキルも重要になっています。
ただし、インフラエンジニアは広範囲な知識を必要とする一方で、特定の分野の専門性においてはサーバーエンジニアやネットワークエンジニアといった専門特化したエンジニアには及ばないケースもあります。
状況によっては専門性の高いエンジニアと協業することでより効果的なインフラ運用を実現できるでしょう。
関連記事:ネットワークエンジニアとインフラエンジニアの違いとは?採用ポイントも解説
関連記事:【一覧表】インフラエンジニアに求めるスキル15選!資格も紹介
インフラエンジニアの採用メリット
インフラエンジニアを採用するメリットは、大きく分けて以下の3点です。
幅広い領域に対応可能
サーバーとネットワーク両方の知識をもつため、さまざまなインフラ課題に対応できます。効率的な運用
インフラ全体を把握しているため、効率的なシステム運用を実現できます。コスト削減
サーバーエンジニアとネットワークエンジニアを別々に採用するよりも、コストを抑えられる可能性があります。
特に、小規模企業やスタートアップ企業では限られたリソースで効率的にインフラを運用する必要があるため、インフラエンジニアの採用メリットは大きくなります。
また、大規模なシステム開発プロジェクトにおいてもインフラ全体を統括できるインフラエンジニアは貴重な存在となります。
関連記事:インフラエンジニアの報酬単価と相場はいくら?外注するメリットも解説
関連記事:インフラエンジニアの需要が高い理由と優秀な人材の獲得方法を解説
サーバー・ネットワーク・インフラエンジニアの採用パターン
必要なエンジニアの種類を特定したら、次は採用方法を検討します。
正社員採用とフリーランス活用、それぞれのメリット・デメリットを理解し自社に最適な方法を選択しましょう。
正社員採用
正社員としてエンジニアを採用する場合は、長期的な視点で育成を行い、会社独自のノウハウを蓄積していくことができます。
社内文化への適応やチームワークも期待できます。
一方で、採用コストや教育コスト、福利厚生費などの固定費の負担が大きくなる点がデメリットです。
また、特定の技術に特化したエンジニアを採用した場合、他の技術領域への対応が難しくなる可能性もあります。
関連記事:インフラエンジニアの中途採用は難しい?即戦力人材を迅速に獲得するコツを解説
フリーランス活用
フリーランスのエンジニアを活用する場合は、必要な時に必要なスキルをもつエンジニアを迅速に確保できるというメリットがあります。
プロジェクト単位での契約となるため、正社員採用と比較して採用コストを抑えられ、必要なスキルセットをもつ即戦力人材を確保できる可能性が高いです。
また、さまざまなプロジェクトで経験を積んだフリーランスエンジニアは、多様な技術や知識をもっている場合が多く、幅広い課題に対応できる柔軟性も期待できます。
近年、働き方の多様化も追い風となり、優秀なフリーランスエンジニアが増加傾向にあり企業にとって魅力的な選択肢となっています。
ただし、プロジェクトの進捗管理やコミュニケーションに工夫が必要な場合もあります。
関連記事:フリーランスのインフラエンジニアと契約した場合の単価相場とは?|単価交渉のコツも解説
関連記事:インフラエンジニア採用にエージェントを活用するメリットと選び方を解説
サーバー・ネットワークに強いインフラエンジニア採用ならクロスネットワークがおすすめ
この記事では、サーバーエンジニアとネットワークエンジニアの違い、それぞれの業務内容や必要となるスキル、さらには採用パターンについて解説してきました。
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インフラエンジニア兼Webライター。金融業界の汎用機系エンジニアとしてキャリアをスタート。その後Web系システムのクラウド分野に転向し独立。本職の傍らSEOを学び、ライティングやディレクションの一部業務も経験。得意分野はAWS。