ITインフラ業務におすすめの資格11選!取得へのロードマップ・仕事内容・即戦力の採用方法も紹介

ITインフラ業務におすすめの資格11選!取得へのロードマップ・仕事内容・即戦力の採用方法も紹介

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ITインフラエンジニアにはネットワーク構築やデータベース設計、セキュリティ対策など高度な技術が要求されます。効率的にスキルアップをするために資格を活用したい方も多いかと思います。

しかし、ITインフラに関する資格が数多くあるため「部下にどの資格を取得させるべきか迷う」「業務に役立てられるのか不安」と悩む方も多いでしょう。闇雲に資格の勉強をしても実務で活かせるとは限りません。

そこで本記事では以下の内容について解説します。

  • ITインフラ業務における資格の必要性

  • ITインフラエンジニアにおすすめの資格

  • 資格取得に必要なステップ

  • 即戦力となる人材の採用方法

この記事を最後まで読めば、資格の有用性と必要な資格を見極める方法を知ることができます。インフラエンジニアとしてスキルアップしたい方や、自社人材の資格取得を推進している経営者の方は参考にしてください。

ITインフラエンジニアに資格は要らない?取得のメリットを紹介

医者や弁護士のように、インフラエンジニアには必ずしも資格が要るわけではありません。とくに、IT業界のなかでもインフラエンジニアは他のジャンルと比べて実務経験者が少ないため、未経験者に門戸を開いている企業も多いです。

ただし資格があると、上流工程への参入や業種変更への道が拓きやすくなるなど、多様な選択肢ができます。インフラエンジニアが資格を取得するメリットは、主に3つあります。

  1. 知識を体系的に学べる
  2. スキルを証明できる
  3. キャリアアップのモチベーションになる

1. 知識を体系的に学べる

資格取得を通じて、そのジャンルに必要な知識を過不足なく学ぶことができます。資格試験の要項には、身に付く知識やどの業務で使えるかまで記載しているため、ゴールが明確になるからです。

たとえば、ベンダー資格「AWS認定」の一つである Practitionerには、下記のように学習のゴールと対象の学習者が明記されています。

AWS Certified Cloud Practitioner は、AWS クラウド、サービス、用語の基礎的かつ高度な理解を持っていることを証明します。 これは、IT やクラウドの経験がまったくない個人でクラウドのキャリアに切り替えるか、基礎的なクラウドリテラシーを求めている基幹業務の従業員にとって、AWS 認定ジャーニーの良い出発点となります。

引用:AWS Certified Cloud Practitioner

このように学習ロードマップが明らかになるため、スキル習得時に遠回りするリスクを避けられます。

2. スキルを証明できる

資格で専門分野のスキルを証明できるのも、おおきなメリットです。

情報処理安全確保支援士試験を例に挙げると、合格者は情報セキュリティの対策、管理に加え、技術指導ができることが期待されると明記されています。つまり、採用候補者や部下が情報処理安全確保支援士を取得していれば、セキュリティ監視だけでなく、セキュリティ対策のプロジェクトリーダーまで任せることも視野に入ります。

このように、資格取得者がどのような知識を持っていてどのような業務まで任せられるか明らかになるでしょう。そのため、企業側としても人材を適切に配置できるはずです。

また、未経験者が資格を取得していれば業務に対する本気度もわかります。当然、資格の難易度が高いほど腰を据えて勉強しなければいけないため、採用後の伸びしろも期待できます。

3. キャリアアップのモチベーションになる

インフラエンジニアにとって、資格の取得がキャリアアップのモチベーションになることが多々あります。資格を得ることで別プロジェクトへの異動ができたり取得手当が支給されたりと、メリットが生まれるからです。

リクナビ NEXTの調査では、資格の合格報奨金の平均額が17,500円~125,000円という結果が出ています。また、運用の実務経験しかなかったエンジニアが資格取得を機に設計プロジェクトへ異動したという例もあります。

企業側としては、ただ資格取得を推奨するだけでなく、手当支給やポストの割り当て、昇進の優遇要件など、取得のモチベーションアップにつながる制度作りも必要といえるでしょう。

ITインフラ業務におすすめの国家資格7選

ITインフラ業務におすすめの国家資格出典:情報処理推進機構(IPA)

インフラエンジニア関連の国家資格試験は、主に情報処理推進機構(IPA)が運営しています。IPAは経済産業省のIT政策機関で、IPA主催の情報処理試験は、ITの技術や利活用等に関する知識を習得できることで人気を集めています。

実際、企業によってはプロジェクトに国家資格取得者の参画を要件にしているケースも多いです。ここでは代表的な国家資格を7つ紹介します。

  1. ITパスポート
  2. 基本情報技術者
  3. 応用情報技術者
  4. ネットワークスペシャリスト
  5. データベーススペシャリスト
  6. 情報セキュリティマネジメント
  7. 情報処理安全確保支援士

なお、試験要綱は変更になることがあります。詳しくはIPAの公式サイトで確認しましょう。

1. ITパスポート

試験内容

ストラテジ系(経営全般)

マネジメント系(IT管理)

テクノロジー系(IT技術)

受験資格

なし

受験方法

テストセンター、自宅受験

試験時間

120分

合格基準

総合評価点600点以上であり、かつ分野別評価点もそれぞれ300点以上であること

ITパスポートは、ITにおける基礎知識を証明する資格で、インフラエンジニアだけでなく営業職や事務職など非エンジニアにも人気です。試験ではAIやビッグデータなどの最新技術、アジャイル開発といった開発手法の他、マーケティング・財務などの経営知識も問われます。

近年はAIやIoTの急速な発展により、新たなサービスや製品が次々に誕生しています。それにつれて、高いITリテラシーも求められるようになりました。

ITリテラシーがないと、企業秘密を漏えいさせたりシステムトラブルを起こしたりする可能性があります。ITパスポートは一定以上の情報モラル、IT知識を証明する上で有効な資格と言えます。

2. 基本情報技術者

試験内容

科目A:基礎理論、プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント、システム戦略、経営戦略、企業と法務

科目B:プログラミング全般、プログラムの処理の基本要素、データ構造及およびアルゴリズム、プログラミングの諸分野への適用、情報セキュリティの確保

受験資格

なし

受験方法

CBTと筆記のいずれかを選択

試験時間

科目A:90分

科目B:100分

合格基準

科目A、科目Bの両方で1,000点満点中600点以上を得点

基本情報技術者は、ITエンジニアの登竜門とも言える資格で、新卒エンジニア・未経験者の取得要件に挙げている企業も多いです。

試験は科目A試験と科目B試験に分かれており、前者はコンピューターの基礎やプロジェクトマネジメントなど知識を問う問題を出題。後者ではプログラミングやアルゴリズムなどロジカルシンキングに関連した問題が出されます。

試験の難易度はITパスポートと後述の応用情報技術者の中間程度です。すでにITエンジニアとして働いている方なら実務で使う知識も多いため、50時間程度の学習で合格するとされています。一方、文系出身であったりIT関連の業務経験が少なかったりだと、概ね200時間くらいの学習時間が必要です。

初学者にとっては覚えることも多いので、まとまった学習時間を取りましょう。

3. 応用情報技術者

試験内容

午前

基礎理論、アルゴリズム、コンピューター構成要素、データベース、ネットワーク、プロジェクトマネジメント、システム監査、システム戦略、経営戦略、企業活動、法務など

午後

経営戦略情報業界の動向、情報技術の動向、国際標準化の動向 システムアーキテクチャ、サービスマネジメント、プロジェクトマネジメント、ネットワーク、データベース、組込みシステム開発、プログラミング、.情報セキュリティシステム監査

受験資格

なし

受験方法

筆記

試験時間

午前:150分

午後:150分

合格基準

午前・午後ともに100点満点中60点

応用情報技術者は、技術や管理、経営まで、幅広い知識と応用力を問われる資格で、基本情報技術者をさらに深度化した試験と言えます。

試験は午前と午後に分かれており、基本情報技術者と同じくコンピューターの基礎やプロジェクトマネジメント、アルゴリズム、セキュリティなどが出題されます。また計算問題や記述式の出題が多く、時間内で文章を正確に読み解く力が必要です。

合格すれば、高度IT人材であることだけでなく、プロジェクトマネジメントや経営戦略に対して一定の知見があることも証明できます。

学習時間は初学者だと約900時間とされ、仕事帰りや休日を使って勉強するなら9か月~1年ほどの学習時間が必要と言えます。実務経験者であればそれより少ない学習時間での合格が見込めるので、不足知識の補完に重点を置いて勉強しましょう。

4. ネットワークスペシャリスト

試験内容

午前ⅠⅡ

コンピューター構成要素、システム構成要素、ネットワーク、セキュリティ、システム開発技術、ソフトウェア開発管理技術

午後ⅠⅡ

ネットワークシステムの企画・要件定義・設計・構築・運用・保守、ネットワークサービスの活用、ネットワークアプリケーション技術、ネットワーク技術、関連法規

受験資格

なし

受験方法

筆記

試験時間

午前Ⅰ50分

午前Ⅱ40分

午後Ⅰ 90分

午後Ⅱ 120分

合格基準

午前・午後ともに100点満点中60点

ネットワークスペシャリストとは、ネットワーク分野の知識・スキルにおいて高度な技術を認定する試験で、応用情報技術者より高位のランクに位置付けられます。

試験は午前と午後に分かれ、午前はネットワーク、セキュリティをメインに、コンピューター構成、システム開発技術など、午後はネットワークシステムの企画やアプリケーション技術などに関する記述問題が出題されます。ネットワークの総括的な知識が問われ、長文を読み解く力も必要です。

合格率は12~15%と狭き門ですが、取得すればネットワークの専門家として認められ、ネットワークエンジニアとしてのキャリアスタートが容易になるでしょう。

初学者が独学で習得する場合だと、1年ほどの勉強時間が必要です。しかし、すでにネットワーク関連の実務経験があるなら、20時間程度で合格できるケースもあります。

5. データベーススペシャリスト

試験内容

午前ⅠⅡ

コンピューター構成要素、システム構成要素、データベース・セキュリティ、システム開発技術、ソフトウェア開発管理技術

午後ⅠⅡ

データベースシステムの企画・要件定義・開発運用・保守、データベース技術

受験資格

なし

受験方法

筆記

試験時間

午前Ⅰ50分

午前Ⅱ40分

午後Ⅰ90分

午後Ⅱ120分

合格基準

午前・午後ともに100点満点中60点

データベーススペシャリストとは、データベースの構築・データ分析基盤などに関するスキルを証明できる資格です。

出題内容は午前だと、システム開発、データベース概念設計、物理設計、同時実行制御などのデータベース関連がメインになります。午後はデータベースの運用保守に関する記述問題を出題。企画や要件定義、開発に関する知識も問われるため、合格すればデータベース開発に関する一貫したスキルを証明できます。

合格率は概ね13~18%程度で推移しており、ネットワークスペシャリストと同じく狭き門です。

データベースはITインフラのあらゆるジャンルで欠かせない要素です。近年は企業の情報資産がデータベースで管理されているため、正しく扱える人材は多くの組織で重宝されるでしょう。

勉強時間の目安は150時間~200時間程度とされていますが、実務経験や基本情報技術者・応用情報技術者の取得の有無によって前後します。未経験から取得を目指すなら、自分のITの習熟度を踏まえて、余裕のある学習計画を立てましょう。

6. 情報セキュリティマネジメント

試験内容

科目A

情報セキュリティ全般・管理・対策・関連法規ネットワーク、データベース、システム構成要素システム監査、サービスマネジメント、プロジェクトマネジメント、経営管理、システム戦略、システム企画など

科目B

情報資産管理、リスクアセスメント、IT 利用における情報セキュリティ確保、 委託先管理、セキュリティ教育・訓練など

受験資格

なし

受験方法

CBTと筆記のいずれかを選択

試験時間

120分

合格基準

科目A、科目Bの両方で1,000点満点中600点以上を得点

情報セキュリティマネジメントとは、情報セキュリティに関する運用計画、策定、改善の知識・スキルを証明する資格です。取得すれば、近年高度化しているサイバー攻撃から組織を守り、情報資産を安全に利活用する人材として認められます。

試験内容は基本情報技術者と同じく科目Aと科目Bに分かれており、前者では情報セキュリティの基礎知識や管理の手法、関連法規、システム監査などが出題されます。後者では、リスクアセスメントやセキュリティ教育など、現場レベルで使う知識が問われます。具体的な取り組み例を元に出題されるため、より実践に則した知見を得られるでしょう。

学習時間の目安は200時間程度(約3か月)とされていますが、情報管理に関わる業務をしている方なら、より少ない学習時間で合格できるでしょう。

7. 情報処理安全確保支援士

試験内容

午前ⅠⅡ

コンピューター構成要素、システム構成要素、データベース、セキュリティ、システム開発技術、ソフトウェア開発管理技術

午後

情報セキュリティマネジメントの推進又は支援

情報システムの企画・設計・開発・運用におけるセキュリティ確保の推進又は支援に関すること

情報および情報システムの利用におけるセキュリティ対策の適用の推進又は支援に関すること

情報セキュリティインシデント管理の推進又は支援に関すること

受験資格

なし

受験方法

筆記

試験時間

午前Ⅰ50分

午前Ⅱ40分

午後 150分

合格基準

午前・午後ともに100点満点中60点

情報処理安全確保支援士とは、セキュリティ対策を推進する人材の確保を目的とした国家資格です。IPAが実施する情報処理安全確保支援士試験に合格するほかに、下位の要件を満たしても取得できます。

経済産業大臣が認定した方:警察、自衛隊、内閣官房、情報処理安全確保支援士試験委員のうち、所定の要件を満たす方

経済産業大臣が登録セキスペ試験の全部を免除した方:IPAの産業サイバーセキュリティセンターが行う中核人材育成プログラムを修了し、1年以内に登録を受けること

引用:IPA

合格すれば高度セキュリティ人材として認められ、とくに官公庁や公益財団法人などサイバーセキュリティに力を入れている組織で一目置かれます。IPAの検索サービスにも名前が載り、得意分野や保有スキルを外部にアピールできるのも魅力です。

試験内容は午前ⅠⅡと午後ⅠⅡに分かれ、午前は基本情報技術者、応用情報技術者と類似の範囲を出題。午後は情報セキュリティの企画・構築・運用、関連技術や法規などの知識を問われます。

学習時間は200時間程度とされていますが、応用情報技術者レベルの知識がある前提で出題されます。初学者がチャレンジするとさらに学習時間が増えるため、一定のエンジニア経験が必要と言えるでしょう。

注意点として、合格後は経済産業省への登録と定期的な更新が必要です。資格維持のためにIPAのサイバーセキュリティ講習への参加も義務付けられているので、忘れず受講しましょう。

ITインフラ業務におすすめのベンダー資格4選

ベンダー資格とはソフトウェアやサービスを開発している企業が行う資格試験です。

ベンダーが開発しているシステムやソフトウェアの専門性を証明できるため、スキルセットがわかりやすい点が魅力です。ここではおすすめのベンダー資格を4つ紹介します。

  1. AWS認定
  2. オラクルマスター
  3. Cisco技術者認定
  4. LinuC

1. AWS認定

運営元

Amazon

試験内容

FOUNDATIONAL:クラウドやAWSに関する基礎的な知識

ASSOCIATE:アプリケーション管理、開発、セキュリティ、トラブルシューティングなど

PROFESSIONAL:コスト管理、新しいソリューションの設計、移行の計画、監視・ロギング、ポリシーと標準の自動化

SPECIALTY:AWSネットワークへの専門性、設計力、サービス統合に関するスキル

受験資格

なし

受験方法

オンライン・試験センター

試験時間

(一部抜粋)

AWS Certified Developer - Associate:130分

AWS Certified Solutions Architect - Professional:180分

合格基準

FOUNDATIONAL 700/1,000

ASSOCIATE 720/1,000

PROFESSIONAL・ SPECIALTY 750/1,000

AWS(Amazon Web Service)とは、Amazonが提供しているクラウドサービスで、サーバーやネットワーク設計、データベース構築など約200以上のサービスを提供しています。

AWS認定はAWSのスキルを証明する資格で、クラウドシステムの設計や構築、運用などの能力を有していることをアピールできます。レベルも細かく分かれており、入門編のFOUNDATIONALから実務経験者レベルの能力が問われるSPECIALTYまで幅が広いです。

AWSは対応する国・地域が多いため、AWS認定に合格するとキャリアパスも増えるでしょう。

2. オラクルマスター

運営元

日本オラクル

試験内容

ブロンズ:Oracle Databaseの概要、導入、データベースの作成 など

シルバー:アーキテクチャ、データベース管理、ユーザー権限の管理など

ゴールド:CDBとPDBの作成、アプリケーションPDBの管理など

プラチナ:ネットワーク環境の構成、複数のデータベースへの接続など

受験資格

全レベル:18歳以上

ブロンズ・シルバー:なし

ゴールド:シルバー合格者

プラチナ:ゴールド合格者

受験方法

テストセンター、オンライン

試験時間

ブロンズ・シルバー・ゴールド:120分

プラチナ:2日間(両日とも9:30~17:30)

合格基準

ブロンズ:65%

シルバー:60%

ゴールド:57%

プラチナ:非公開

オラクルマスターは、データベースで世界シェアを誇るオラクル社の認定資格です。SQLやRDBなどデータベースのスキルを証明でき、オラクルデータベースを利用している企業で優遇される可能性が高まります。

ランクは、ブロンズから始まり、シルバー→ゴールド→プラチナと難易度が高くなります。データベースは企業の情報資産を扱う上で欠かせない技術です。オラクルマスターを取得すれば、適切に企業のデータを扱う人材と認められるでしょう。

3. Cisco技術者認定

運営元

Ciscoシステムズ社

試験内容

ソフトウェア・自動化

サイバーセキュリティ

ネットワークデザイン

ネットワーク技術

データセンター管理

ネットワークセキュリティ

IP電話・Web会議

コミュニケーションツール

インターネットサービス提供

受験資格

なし

受験方法

テストセンター、オンライン

試験時間

約 1~ 2 時間

合格基準

非公開

Cisco技術者認定は、コンピューター機器開発を手掛けるCiscoシステムズ社が運営しているベンダー資格です。主にネットワークスキルを認定しており、ソフトウェアやサイバーセキュリティ、データ管理など多方面での能力も認められます。

とくに、CCNAはネットワークエンジニアの入門に位置付けられ、ネットワーク・セキュリティの基礎、自動化など幅広く習得できます。また、認定レベルの一つであるアソシエイトは経験年数1~3年目のエンジニアを想定しているため、腕試しに受けるのもおすすめです。

4. LinuC

運営元

Japan-LPI

試験内容

Linuxシステムの基本操作とシステム管理設計・導入・保守・問題解決

オンプレ/クラウド、物理/仮想化

受験資格

なし

受験方法

テストセンター、オンライン

試験時間

90分

合格基準

非公表

LinuCとは、オープンテクノロジー認定機関「Japan-LPI」が実施しているLinux認定技術者試験です。LinuxとはオープンソースのOSで、自由にサーバー構築や編集ができることから世界中で利用されています。

LinuCでは、Linuxを使った設計、構築、運用など幅広いスキルを証明できます。試験レベルは1~3に分かれており、レベル1ではクラウドの概要とLinuxの基本操作といった基礎技能を証明。レベルが上がるにつれて、システムのライフサイクルを踏まえた設計力も証明できます。

他の民間資格と異なり、特定のベンダースキルに依存しない点が魅力です。そのため、幅広いシステムが設計できることをアピールできるでしょう。

ITインフラエンジニアの主な業務

ITインフラは複雑かつ大規模なシステムのため、インフラエンジニアの業務も多様化しています。どのような業務をしているのかわからないと、資格者を適切に活用できないでしょう。

また業務内容を把握することで、どの人材に何の資格を取らせればよいかもわかります。ここでは、ITインフラエンジニアの主な業務を紹介します。

設計

設計とは、企画通りのITインフラを構築できるよう、システムの枠組みを決めることです。具体的には、企画段階で汲み取ったニーズを実現するために、必要な要素を定義します。設計は、以下のように基本設計と詳細設計の2ステップを踏みます。

設計の種類

概要・特徴

設計項目

基本設計

ITインフラ構築に必要な機能・構成などを固める

システム設計

画面設計

帳票設計

バッチ設計

データベース設計

詳細設計

基本設計を受けて構築するための内部構造を決める

システム概要

アーキテクチャ設計

モジュール設計

データベース設計

インターフェース設計

テスト設計

基本設計では、企画内容をシステムに反映させるために、必要な構成要素を決めます。開発を外注する場合だと発注側が関わる最終ステップになるので、認識の違いを失くすことが重要です。

詳細設計では、基本設計を受けて実装に必要な内部構造を定義します。プログラマがスムーズに実装するためのアウトラインで、詳細設計書の品質が実装の生産性に直結します。

関連記事:ITインフラの設計とは?構築との違いと流れ・外注のポイントを紹介

構築

構築とは、設計を元にハードウェアやソフトウェアを使ってITインフラを作り上げることです。ネットワーク構築を例に挙げると、機材の搬入や配線工事、ネットワーク機器のセットアップなどが該当します。

パターン化された作業であれば業務経験が少なくてもできるケースが多く、新任者のOJTで活用されることも多いです。また、ネットワーク構築やクラウド構築など各分野の専門性も如実に表れるため、有資格者をスムーズに育成できるフェーズとも言えます。

なお、構築時は以下の点に注意して行いましょう。

  • セキュリティ対策:サイバー攻撃は進化しており、定期的なアップデートが必要

  • 厳しすぎる納期・予算はNG:システムの品質低下につながる

  • ユーザーの利便性を考慮:現場目線でUIを決める

  • 障害対策を策定:完璧なシステムはあり得ないので、対応フローを設けること

関連記事:ITインフラの構築とは?設計との違いと流れ・外注のポイントを解説

運用・保守

運用保守とは、ITインフラを安定かつ効率的に稼働させるために、監視・メンテナンスすることです。ITインフラは完成して終わりではなく、長期的に稼働させるために運用保守しなければいけません。主な業務を以下の表にまとめました。

業務内容

概要

システム監視

性能監視

システムのパフォーマンスが安定しているか監視

死活監視

サーバーが止まっていないか監視

ログ監視

システムの稼働履歴を監視

定期メンテナンス

セキュリティパッチの適用

OSやアプリの脆弱性を解消するために開発元が配布するプログラムを組み込むこと

アップデート

OSやアプリを最新のバージョンに維持すること

障害対応

システム障害が発生したときに原因究明と改修、対策を行うこと

マニュアルの更新

運用手順書の作成・修正、障害対応フローの策定など

運用保守は対象範囲がOS、アプリ、ハードウェアなど構成物全体に及びます。そのため、システム理解につながることから、未経験者に任せることも少なくありません。ただし、経験者であれば業務の勘所を押さえているため、周囲に的確な指示を出してくれるでしょう。

関連記事:ITインフラ運用とは?仕事内容や保守との違い・外注のメリットについて解説

即戦力となるITインフラエンジニアの主な探し方

資格取得でスキルアップ、人材育成を図るのも有効な手段ですが、即戦力に頼ればより早く人材のレベルを上げることができます。ここでは、即戦力となるITインフラエンジニアの探し方を3つ紹介します。

  1. スカウト採用
  2. 転職エージェントの活用
  3. フリーランスエンジニアの活用

1. スカウト採用

スカウト採用とは、企業が人材にアプローチして採用する手法です。

資格の有無も含めて特定のスキルを持った人材をターゲットにしているため、ミスマッチが起こりにくい点がメリットです。積極的な転職を考えていない層にも接触できるため、魅力的な待遇を提示すればヘッドハンティングも可能でしょう。

デメリットは、候補者が少ない場合のアプローチ方法が難しいことです。スカウトツールや紹介メールの作成、送付など手段を増やすとコストもかかるため、採用リソースとのバランスを考えることが重要です。

また、自社のイメージを悪くしないよう、丁寧な言葉遣いや質問への誠実な回答などを心掛けましょう。

関連記事:インフラエンジニアをスカウト採用するメリットや成功させる方法を解説

2. 転職エージェントの活用

転職エージェントとは、企業と求職者をつなげる専門業者で、厚生労働大臣から認可を受けて活動しています。

企業側が求めるスキル、経験年数などにあわせて候補者を紹介してもらえます。またITは変化が激しいため、業界の動向と求人マーケットの分析を踏まえて、採用戦略を提案してくれる点も強みです。

そして、転職エージェントは企業以上に多様な人材を扱っています。資格を初めとしたスキルの評価や候補者のポテンシャルを見極める力に長けているため、採用後のミスマッチも防げるでしょう。

ただし、転職エージェントは数多く存在するため、質の悪いエージェントやインフラエンジニアを得意としていないエージェントと取引すると、予算を浪費してしまいます。利用するときには、ITエンジニア専門の転職エージェントに相談しましょう。

関連記事:インフラエンジニア採用にエージェントを活用するメリットと選び方を解説

3. フリーランスエンジニアの活用

フリーランスエンジニアに業務委託するのも有効です。経験豊富なエンジニアが多く得意分野も明確なため、即戦力になってくれる可能性が高いからです。

また、コストを最適化できるのもフリーランスエンジニアの魅力。フリーランスエンジニアとはプロジェクトごとの契約になるケースが多いため、需要に応じてフレキシブルにコストを調整できます。正規雇用のように福利厚生や社会保険などの費用もかからないため、コスト削減におおきく貢献するでしょう。

注意点として、エンジニアによって案件への熱意やスキルセットに差が生じることがあります。正規雇用と比べて自社への帰属意識が低くなる恐れもあるため、案件との相性や魅力的な待遇の提示が必要になるでしょう。

即戦力のインフラエンジニアを探すならクロスネットワークがおすすめ

本記事では、ITインフラ業務で資格取得が有効な理由とおすすめの資格、学習ロードマップ、インフラエンジニアの仕事内容について紹介しました。資格は散在する知識を体系的に学べるだけでなく、エンジニアのモチベーションアップにもつながります。業務との関連性を見極めて取得すれば、人材レベルを底上げできるしょう。

しかし「できれば資格取得より実務に注力したい」「即戦力を採用して人材育成の手間を省きたい」という企業もいるかと思います。

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喜多村道秋
記事を書いた人
喜多村道秋

新卒で大手インフラ企業に入社。約12年間、工場の設備保守や運用計画の策定に従事。 ライター業ではインフラ構築やセキュリティ、Webシステムなどのジャンルを作成。「圧倒的な初心者目線」を信条に執筆しています。