
ITインフラを長年運用していると、老朽化や機能のアップデートなどでコストが割高になる傾向にあります。また、ITインフラが巨大化・複雑化すれば、それに伴い人員を確保する必要もあるため、運用を自動化できないか検討している企業は多いかと思います。
しかし「自動化がうまくいくのか不安」「そこまで急いで自動化すべきか疑問」と悩んでしまいますよね。そこで本記事では以下の内容について解説します。
ITインフラの運用自動化が重要な背景
運用自動化のメリット
運用自動化の流れ
運用自動化に成功した事例
運用自動化における注意点
おすすめの運用自動化ツール
本記事を最後まで読めば、運用を自動化するメリットと自動化までのプロセスを理解できます。運用コストと工数を削減したい中小企業経営者の方は参考にしてください。
ITインフラの運用自動化とは
ITインフラの運用自動化とは、ITインフラのパフォーマンスや挙動の監視、セキュリティチェックをツールで自動化することです。
ITインフラは構築して終わりではなく、安定稼働させるために運用業務が欠かせません。基幹システム(企業の業務プロセスを支えるシステム)の寿命は約14年と言われており、その間にソフトウェアの陳腐化やハードウェアの老朽化が起こり始めます。
このような劣化によるトラブルを防ぐためにもシステムの運用が欠かせませんが、稼働年数が長くなると巨大化・複雑化する傾向にあります。その分、運用の負担が増えるため、ツールによる自動化が注目されているのです。
ITインフラの運用自動化が重要な理由
多くのITインフラが人手で運用されていますが、徐々に自動化へシフトする企業が増えています。ここでは、ITインフラの運用自動化が重要な理由を紹介します。
ITインフラが巨大化・複雑化しているため
ITインフラが巨大化・複雑化しているのは、運用の自動化が急がれる背景です。
そもそもITインフラとは構築当初のスペックで運用し続けるケースは稀で、社会の変化にあわせて改修、増築を行うのが一般的です。それに伴い監視すべき項目や改修の頻度も増えるため、運用の負担が高まるのです。
とくに日本は「レガシーシステム」と呼ばれる古い技術やメカニズムで開発されたシステムを使い続ける傾向にあります。そのため、時代にそぐわない機能が運用の負担をおおきくしています。
厄介なことに、レガシーシステムはブラックボックス化(システムの内部が不透明なこと)を繰り返しながら複雑化するため、有識者がいなくなった途端に運用効率が落ちる可能性が高いです。
このように、陳腐化したシステムの管理負担を軽減するうえでも、自動化は重要と言えます。
関連記事:ITインフラの全体像とは?基礎知識と仕事内容を具体例も交えて解説
エンジニア不足が深刻化しているため
日本全体がインフラエンジニア不足に直面しているのも、運用の自動化が進む理由です。経済産業省の調査によると、2030年までに約79万人のIT人材が不足するとの試算を出しています。
出典:経済産業省
とくにセキュリティや先端技術などITインフラに関する人材不足が顕著で、この流れは続くと予想されます。
また、運用業務は開発や営業などと比べると付加価値が低く、できれば予算をかけたくないのが企業の本音です。しかし、運用を疎かにするとサイバー攻撃や障害の予兆を見逃すリスクが高まります。
運用品質とコスト削減を両立するために、自動化技術を採用している企業が増えています。
関連記事:インフラエンジニアの人手不足を解消する優秀な人材の獲得方法を徹底解説
運用業務が属人化傾向にあるため
業務が属人化しやすいのも、運用の自動化が重要視される理由です。
属人化とは、特定の人物に業務・技術のノウハウが集中することです。多くの日本企業では終身雇用を前提に採用が行われていたため、同じ社員が長期間運用を担当することは珍しくありませんでした。
しかし、担当者がいなくなると業務の実態を知る人がいなくなります。そうなるといざトラブルが発生したときに初動調査、復旧に遅れが出るため、事業全体の損失がおおきくなるでしょう。
筆者の職場でも、ベテランエンジニアが数十年間社内インフラの運用を担当しており、システム構成や改修方法を知る社員は他にいませんでした。
担当者が退職してからシステムチェックを実施しましたが、一部のドキュメントに不備が見つかりプログラムコードもコメントが記載されていない状態でした。当然ですが、障害が起こったときに原因の切り分けも困難になるので、システム解析に数週間を費やしたのです。
このように属人化が横行すると、担当者がいなくなった途端に運用の負荷が増大します。個人の知識・ノウハウに依存しないためにも、自動化に注力する企業が増えています。
ITインフラの運用自動化が遅れている背景
昨今の人手不足や業務の特性を踏まえると、ITインフラの運用自動化は魅力的な手段です。しかし、運用の自動化が遅れている企業も少なくありません。
ここでは運用の自動化が進まない背景を解説します。
開発部門とうまく連携できない
開発部門と運用部門がうまく連携できない点が、自動化の足かせになっている可能性があります。
おおきな企業では、運用フローを自動化するときに開発部門に自動化を依頼するのが一般的です。しかし、自動化してほしい業務と範囲がうまく伝わらず、思っていた自動化を実現できていないケースは珍しくありません。
自動化を成功させるべく運用部門で業務の洗い出しをしようにも、それ自体が負担になることもあります。その結果、自動化が頓挫する例は少なくありません。
投資回収が見込めるか疑問
自動化というのは無料でできるわけではなくコストが発生します。
自社で開発をすることもありますが、多くの場合はベンダーのツールに頼ることになります。クラウドサービスだと従量課金制を採用しているケースが多く、自動化の対象機器が増えるごとにランニングコストが膨れ上がってしまいます。
それを踏まえると、開発投資を回収できるのか見込めなくて、自動化を断念する企業は珍しくありません。
効果を実感できないケースがある
投資回収にも関係することですが、自動化の恩恵を実感できない事例もあります。筆者の職場でも、日々の運用日報の作成を自動化するためにツールを導入しましたが、業務プロセスの特性上、現場の人員は削減できませんでした。
また、プロジェクト上では工数の削減が数値で表れていても、現場の社員の肌感覚とかけ離れていることもあります。たとえば「人でないと対応に融通が利かない」「ツールに頼りっきりで人材育成が進まない」などです。
このように、メリット以上にデメリットが目立つという声もあります。
ITインフラの運用を自動化するメリット4つ
自動化の道のりは簡単ではありませんが、それでもやるだけの価値があります。ここでは、ITインフラの運用を自動化するメリットを4つ解説します。
- 運用コストを削減できる
- 人手不足を解消できる
- ヒューマンエラーのリスクを低減できる
- 異常時に迅速に対応できる
1. 運用コストを削減できる
運用コストの削減を見込めるのは、自動化のおおきなメリットです。
これまで人手で監視・メンテナンスしていた業務をツールに置き換えられるので、その分の人件費を削減できるからです。自動化できなかった作業においても、求められるスキルや業務量によっては、エンジニア(とくにフリーランス)の報酬と稼働時間を調整することが可能です。
もちろん自動化にはツールの開発・購入といった投資が伴いますが、それ以上に人件費の削減、付加価値の高い部門への投資といったコスト回収が見込めます。
2. 人手不足を解消できる
日本では慢性的なエンジニア不足に悩まされているので、ツールを導入することで人手不足を解消できる可能性があります。
運用保守は24時間対応が基本なので、休日出勤や深夜勤務も発生します。順調に稼働しているときでも、いざというときのために夜中もエンジニアが監視しなければいけません。
この作業を自動化できればエンジニアへの負担も解消でき、深夜・休日勤務を敬遠する人材にも興味をもってもらいやすくなるはずです。また、すぐに余剰人員を整理できなくても、新規開発や他部署への配置転換など、柔軟な人事計画を立てられます。
このように、自動化はエンジニアの補完やそれに伴う流動的な人材活用にも貢献するでしょう。
3. ヒューマンエラーのリスクを低減できる
ヒューマンエラーとは人に起因するミスのことで、不注意や思い込み、誤操作、疲労などその原因は多岐に渡ります。運用業務も例外ではなく、ヒューマンエラーが原因でシステム障害が発生することは珍しくありません。
そこで、システムやツールで自動化すれば、人が見落とす不具合や異常を発見しやすくなります。とくに深夜は疲労で集中力・判断力が低下しやすい時間帯なので、ツールのサポートがあればうっかりミスも減るでしょう。
筆者も深夜勤務のときに運用のチェック項目を見落としており、ツールのアラートで気づくことができました。
運用ではちょっとしたミスが障害につながります。作業員がミスをしたことに気づかないこともあるので、ツールの助けを借りれば安定運用を実現できるでしょう。
4. 異常時に迅速に対応できる
不具合やトラブルにスムーズに対応できるのも自動化のメリットです。
ベンダーのツールでは異常検知機能が搭載されている製品が多く、処理能力の低下や不審な通信を見つけたらアラートを発報してくれます。近年はAIの活用でトラブルの予兆を掴む精度も上がっており、これまで以上に異常に気づきやすくなっています。
また、システムの異常は人によって認識に差が出ることも少なくありません。たとえば「ふだんと違う挙動があっても未経験者だと見逃すけれど、ベテランだと不審に思う」といったようにです。
このように、従来の運用だと人の経験とカンに依存することもありますが、ツールの助けで、スキル・経験値に頼ることなくトラブルに対応できるようになります。
ITインフラの運用を自動化する流れ4ステップ
ITインフラの運用を自動化する流れは以下の4ステップです。
- 自動化の目的を明確にする
- 運用業務をビジュアル化する
- 自動化すべき業務を振り分ける
- 自動化後の成果を評価する
各ステップでの注意点も解説します。
1. 自動化の目的を明確にする
まず、なぜ運用を自動化したいのか明らかにしましょう。
運用コストが高止まりしているので、費用を1割削減したい
エンジニアの採用難が続いており、自動化で3人分を補填したい
ヒューマンエラーが頻発しているためツールで予兆を管理したい
運用コストの削減が最優先であれば、自動化にふさわしい作業を厳密に抽出しなければいけません。コストはさほど問題ではなく人材の補完が急がれるのであれば、予算をかけてでも高精度な自動化システムを構築する必要があります。
また現場の課題によっては、業務プロセスや人員配置の見直しで問題が解消するかもしれません。いずれにせよ、なぜ運用を自動化すべきなのかしっかり言語化することが重要です。
2. 運用業務をビジュアル化する
自動化の目的が定まったら、上のように運用業務をビジュアル化しましょう。各業務の担当者とその保有スキル、負担を一目で認識できるからです。
とくに規模のおおきいシステムだと、全体像を把握できていない企業も多いです。現場のエンジニアですら、どこから手を付けるべきかわかっていないかもしれません。
自動化に限らず業務の課題解決のきっかけにもなるので、できるかぎり詳細にビジュアル化しましょう。
3. 自動化すべき業務を振り分ける
運用の全体像を把握できたら、自動化すべき作業を選別しましょう。
大前提として、すべての運用を自動化するのは現実的ではありません。システムの構造によっては自動化が難しく、仮に自動化できたとしても人によるチェックが省けなくて二度手間になることも考えられます。
どのプロセスなら自動化の効果を引き出せるか精査しましょう。一般的には単純作業や繰り返し作業が自動化の効果を得やすいと言われています。
4. 自動化後の成果を評価する
自動化を実現できたらそれで終わりではありません。当初の導入目的を実現できているか人件費、工数、障害の発生数など、あらゆる項目から評価しましょう。
意外と見過ごされがちなのが現場の声です。すべての変化を定量評価することは難しく、現場の実感とはかけ離れている可能性があるからです。たとえば「自動化で作業の精度は上がったが誤操作のリスクが高まった」「業務がブラックボックスになってしまった」などです。
成果が出ても新たな課題が出る可能性があるので、継続的にシステムをブラッシュアップしましょう。
ITインフラの運用自動化に成功した事例4選
運用を自動化するメリットを解説しましたが、自社での導入場面を想像できない企業は多いでしょう。
ここでは、自動化に成功した企業事例を紹介します。課題の背景や施策、成果も詳しく解説します。
1. コストを2/3に削減| フルキャストホールディングス社
フルキャストホールディングス社は、人材派遣業や事務代行など多様な人材業を展開している会社です。
すでに自社のサーバー監視で自動化を実現していましたが、監視連絡やアカウントの管理、メールの振り分けなどは人の手で行っていました。これらの作業は人の手で行う必要はなく、自動化で対応できないかと検討したとのことです。
そこでベンダーのツールを活用し、アカウントの有効化・無効化作業の自動化、FAXの送信件数が不足したときの通報、アラートの優先順位付け・音声化の自動化などを実現。
結果として外部ベンダーへの委託費用が不要になり、コストを2/3に抑えることに成功しました。人がやらなくて良い作業を見極めて自動化に成功した好例です。
2. システムの移行工数が実質ゼロに| 三井食品株式会社
出典:株式会社ユニリタ
三井食品株式会社(現 三井物産流通グループ株式会社)は、食品卸売業で多様な事業を展開しています。
スケールメリットを追求した売上規模の拡大により、現行のシステムでは限界を迎えていたとのことです。複数のプラットフォームの運用による負荷や、操作性の低さによる業務効率の悪化も目立っていたそうです。
そこで、運用の煩雑性解消とコスト低減を目指すべく、新システムへの移行に着手。ベンダーのサポートで新システムへの乗り換えそのものを自動化でき、移行工数を実質ゼロにできました。また散在していた運用管理を一元化し、業務の効率化とライセンスコストの削減も実現できたとのことです。
複数のプラットフォームを集約し、運用を効率化した事例と言えます。
参考:株式会社ユニリタ
3. 夜間監視オペレーターの廃止を実現|株式会社シーエスシー
出典:NEC
株式会社シーエスシーは、トヨタ自動車東日本株式会社の傘下で、業務アプリの開発やITインフラ運用を手掛けています。
親会社のホストコンピューターの運用保守を担っていますが、夜間オペレーターの業務負荷、常時2人態勢による運用コストの増大などが課題になっていました。
そこで、大手電機メーカーのシステムを導入して、夜間業務の省力化を目指しました。日勤時間帯への業務移行や不要なタスクの削除など、自動化に向けた業務の洗い出しも丁寧に遂行。
結果として夜間監視オペレーションは廃止され、現場管理者の負担軽減や運用コストの削減、電話連絡の取りこぼしゼロを実現したそうです。業務の精査段階から自動化すべき作業を把握し、運用コスト削減とヒューマンエラー撲滅を達成した例と言えます。
参考:NEC
4. 運用工数を7,500時間削減|株式会社オージス総研
株式会社オージス総研は、Daigasグループのシステムインテグレーターです。
2014年ごろからグループ会社を取り巻く環境の変化で、運用業務が徐々に圧迫されてきたとのこと。加えて、大規模なシステム変更や年度末のイベントにより業務負荷が急増し、そのたびに追加人員を補充してた乗り切っていたことも課題だったそうです。
効率化も進めていましたが、従来の対応では限界があり、思い切って大規模な自動化に着手しました。自動化ツールでは、現場での使いやすさにも配慮しつつ、依頼書業務、監視業務のアラートなど徐々に自動化範囲を拡大。
2018年に始めた自動化は2020年までの間で7,500時間の工数を削減。夜間の交代要員も減らし、昼間の人員確保も実現しました。また夜間業務による担当者の負担も減り、気持ちにも余裕が生まれたとのことです。
大々的な自動化を進め、工数削減と労働環境の改善に寄与した好例と言えます。
参考:株式会社オージス総研
ITインフラの運用を自動化するときの注意点3つ
ITインフラの運用を自動化するとさまざまなメリットを得られますが、正しい知識がないと思わぬ落とし穴にはまるかもしれません。ここでは、ITインフラの運用を自動化するときの注意点を3つ紹介します。
- 導入初期の負担がおおきい
- 障害リスクに備える
- 専門の人材を確保する
1. 導入初期の負担がおおきい
ツールを自社開発、ベンダーに外注するにせよ、導入初期の負担がおおきいことに注意しましょう。前章でも紹介したように導入までの準備が重要だからです。
とくに業務の見直しで負担が増えるケースが多く「洗い出しに手間がかかるなら自動化しない方が良い」と判断する企業も少なくありません。途中でプロジェクトが頓挫しないよう、余裕のある工期設定と関係者への説明を怠らないようにしましょう。
一時的に業務負荷が出る場合は、改善後のメリットを提示して現場の理解を得ることが重要です。事前に類似の自動化ツールで効果を実感できれば、協力的になってもらえるでしょう。
2. 障害リスクに備える
自動化ツールもシステムの一種なので、それ自体に不具合が発生したときの対応も考える必要があります。
障害が起こったときに最も大切なのが初動調査で、検知した障害の種類や影響範囲などを迅速に把握しなければいけません。スムーズに初動調査ができるようエスカレーションフローを作りましょう。エスカレーションフローとは、現場では対応しきれない場合に管理者やベンダーなどと連携するための流れを定義したものです。出典:デルタエッジコンサルタント株式会社
エスカレーションフローで対応の優先順位と必要な人員を見積もれば、迅速に障害を復旧できるでしょう。
また自動化のプロセスをビジュアル化することも大切です。システム内部がブラックボックス化している可能性が高く、プロセスが不明瞭だと原因究明の足かせになります。開発時の企画書や設計書があると原因を調査しやすくなるので、いつでも参照できるようにしましょう。
3. 専門の人材を確保する
運用を自動化するときには専門の人材を確保しましょう。これまで人の手で行ってきた運用を自動化するためには、それなりの技術・ノウハウが必要だからです。
たとえば、自動化の目的を精査するうえでも、知識がなければ的外れな施策を打ち出すかもしれません。自動化すべき業務を見誤って、必要以上に工数をかけるリスクも考えられます。また自動化後の運用も、運用保守に長けた人材がいれば、いざというときのトラブルにも迅速に対応できるでしょう。
人材採用でおすすめなのは、フリーランスエンジニアの活用です。知識・経験が豊富な人材が多く、業務の難易度・スキルセットによって柔軟に単価を設定できます。プロジェクトごとに契約を結ぶのが一般的なので、正規雇用と比べて人件費を適正化しやすくなります。
関連記事:インフラエンジニアの報酬単価と相場はいくら?外注するメリットも解説
ITインフラの運用自動化におすすめのツール3選
最後にITインフラの運用自動化におすすめのツールを3つ紹介します。導入も比較的簡単なので、予算と人材不足にお困りの企業は検討しましょう。
おすすめの運用自動化ツール | 概要・特徴 |
Senju/EN | 複数のエンジンで情報の一元化・データを抽出 ツールを跨いでの連携が可能 |
AX-Network Manager | 初期投資の負担が軽い ネットワークの可視化で異常を早期発見 |
SKYSEA Client View | 累計2万社以上の導入実績 直感的な管理画面で操作が可能 |
1. Senju/EN
Senju/ENは野村総合研究所が開発・提供する統合運用管理ツールです。
複数のエンジン(特定の処理を行うためのプログラム)で構成されており、情報の一元化や必要なデータ抽出で運用・開発など各担当者の役割に応じた情報を提示できます。
また複数のツールを跨いでの連携も可能です。運用情報を集約し、コマンドの発行やメール送信、情報収集なども実現できます。
このような機能から各ジョブをリアルタイムで監視できるだけでなく、プログラムの不正実行も検知できます。
参考:野村総合研究所
2. AX-Network Manager
AX-Network Managerは、アラクサラネットワークス社が開発・提供するネットワーク運用管理ソフトウェアです。
SaaS(ネットワーク越しで利用できるソフトウェアサービス)で利用できるため、初期導入の負担を抑えることができます。ネットワークの接続状態や異常を可視化できるため、障害が発生したときの原因調査もスムーズに進むでしょう。
管理画面上ではグラフィックでネットワーク構成をビジュアル化。仮想化ネットワークやポートの開閉も管理画面一つで行えるため、ネットワークの拡張・構成変更も迅速に行えます。
3. SKYSEA Client View
SKYSEA Client ViewはSKY株式会社が提供する運用管理システムで、2025年1月末時点で累計22,926社に導入実績があります。
「初めてでも使えるソフトウェア」をコンセプトに、直感的な操作画面を搭載。シンプルなアイコンなため、必要な機能を即座に使える点が特徴です。
ダッシュボードでは業務の進捗やセキュリティリスクが一目でわかり、必要に応じてデバイスの使用制限もかけられます。ネットワーク帯域も柔軟に設定できるため、負荷を調整しながら安定したシステム運用が可能です。
参考:SKY株式会社
ITインフラの運用自動化にお困りならクロスネットワークにご相談を
本記事では、ITインフラの運用自動化のメリットと流れ、注意点などについて解説しました。
ITインフラは長年運用していると構造が複雑になり、老朽化も伴って運用の負担がおおきくなります。運用で手を抜いてしまうと、障害やセキュリティインシデントのリスクが高まるので、自動化で活路を拓くのが得策と言えます。
しかし「自動化のノウハウがない」「知見のあるエンジニアが不足している」という企業もいるでしょう。
優秀なエンジニアにITインフラの運用自動化を任せるなら、ぜひクロスネットワークにご相談ください。クロスネットワークはインフラエンジニア専門のエージェントサービスで、通過率5%と厳しい審査に合格した人材のみ在籍しています。ITインフラに精通した人材をクライアントの要望にあわせてスムーズにマッチングします。
採用後のやりとりもサポートしますので、トラブルを回避できるのもメリット。さらに、登録しているインフラエンジニアと合意があれば、正社員登用もできます。
エージェントに相談いただければ、最短3営業日でのアサインも可能です。また、週3日程度の依頼も可能なので、自社の必要リソースにあわせて柔軟に外注できます。
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- クロスネットワークの特徴
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新卒で大手インフラ企業に入社。約12年間、工場の設備保守や運用計画の策定に従事。 ライター業ではインフラ構築やセキュリティ、Webシステムなどのジャンルを作成。「圧倒的な初心者目線」を信条に執筆しています。